気質のこと

F1レーサーというのは、類い稀な闘争心をもった人たちだけど、同時に人と優しく関わる、対話する、争うばかりではなく交渉する、うまく立ち回れるよう計算する、ときには譲るといったこともできないと務まりません。

人間と比べるのも難ですけど、競走馬ではないんです。ほんとこの例えはどうかと思いますが。競走馬は、競走馬としての気質が必要なのでなかなか人に馴れないといいます。

誰よりも速く走りたい、負けたくないという馬を生み出すためには「社交的」「優しい」という気質を削ぎ落とすしかないからです。もちろん「速いのに人間のことが好き」という例外もありますが、そういう馬が話題になるのはとても珍しいせいですよね。

速いだけなら、現役のF1レーサーより速い人も、もしかしたらいるんじゃないかと思うんですよ。だけど、その人たちはF1レーサーにはなれないのです。闘争心だけがあるタイプだから。

その人は仕事をすることができないのです。というか、F1まわりの人が、その人と仕事をしていくことができないんです。

誰よりも速く走りたいという気質、負けたくないという気質が強すぎて、例えば過激な発言をしてしまう、人を傷つけてしまう、危険を気にしないでいられる代わりに何も気にできないので待ち合わせの時間を守れない。そういう人はいくらマシンに乗ったら速くても、使うことができないのです。

何か一つだけに長けていても、現実的にはどうにもならないんだと思います。

「人よりも闘争心がある」ということが良いようにも悪いようにも表れますが、それが良いように表れるときというのは、「闘争心をうまく活かし、その他の気質や能力を働かせる」というときなのではないかと思うのです。

レースになれば誰よりも速く走りたいと思い、実際にそうするが、普段は違う側面を見せ、優しい……人が好きとか、人に親切にするのが好きとか。馬にはなかなかできないことを人間は求められるんです。それが完璧に行えれば、F1レーサーにだってなれるかもしれません。

で、全然関係ないやんと言えばそうなんですけど、HSPの診断みたいなのがちょっと流行ってましたね。わたしもやってみたところドンピシャだよ〜ん!みたいな診断が出てムカついたのでツイートしませんでした。こういう性格がいけないんだと思いました。「音や光が気になる」て、気になんない人いないじゃん!気になんなきゃアラームで起きられないでしょうが。

HSPは劣っているのでも優れているのでもなく、ただ単に気質の種類ですよね。

闘争心の気質のときと同じように、HSP である、ということ以外のことがたぶん重要になってくるんだなと思いました。

HSPであるだけではダメ。闘争心が強いだけではダメ。

だけど、HSPだからダメというわけではない。闘争心が強いからダメというわけではない。

けれども、闘争心が強い気質の人は、例えば介護士とかは向いてないかもしれませんよね。闘争心を活かせる環境を探すのがいい。

HSPも同じだと感じられました。HSPな上、こんなこともできる!もしそれがうまくいって環境ともマッチしたなら、メッチャ可愛がられる競走馬になれる。速い上に懐こいなんて最高。(この例えはとにかくどうなんだという気持ちがどんどん大きくなっています)

例えば人よりも何かを考えがちな上、動画編集にも長けている、だったら、かなり綿密な編集作業ができる動画編集者になれそうじゃないですか。世の中そんなに甘くないかな?

その他、が大事な気がする。HSPであっても闘争心が強くても、それだけじゃどうにもならないからです。