猫の名付けと人生

最近身のまわりに猫を飼い始めた人が多いです。うらやましいなぁ。

猫の名付けって面白いですよね。例えばあんこちゃんとかクッキーくんとか、そういう食べ物の名前を生き物につけるのは外国ではあまり無い文化だそうです。たぶん、英語圏ではジョンとかエマとか、人の名前と同じような名前を付けるのが主流なんでしょうね。ジョンていう名前のゴールデンレトリバー多そう。

食べちゃいたいくらいかわいい!!!しかも茶色くて色も似てる!!からチョコちゃん。飼い主がショパンの曲が好きだからショパンくん。

そういうのよくありますけど、例えばその飼い主がパティシエをしていたり、ピアニストをしているなら、ちょっと意味が違ってくると思いませんか。

パティシエの人間が飼っている犬が、チョコちゃん。ピアニストの人間が飼っている猫が、ショパンくん。

職業に対する愛というか情熱がすごいんだなと思います。例えば、パティシエをしていても、職業と人生を切り離して考えるタイプの人で、しかももう菓子作りに嫌気が差していて、チョコの香りを嗅ぐのも嫌だという人は、たぶん絶対に犬にチョコという名前はつけないと思います。

ピアニストも同じ。職業ピアニストとしてやっていってるんだけど、内心べつに音楽のことやクラシックのことは好きではない。仕事だからやっているけど、好きだから弾いているわけではない。そういう人は、猫にショパンという名前はつけないのではないかと思うんです。

パティシエだから、ピアニストだからと言って、仕事に特別な感情がある人ばかりではないと思うんで。普通に会社行くのやだなぁとか、起きるのめんどいなとか仕事転職しようかなと考えてる人だってたくさんいると思うし。会社員と同じような感じ。

わんちゃんや猫ちゃんは、プライベートで付き合うものだから。仕事の時間ではないのに、仕事のことを思い出す名前をつけるのは、相当その職業が好きだからだと思うんですよね。

テノールの有名な歌手の人が、飼い犬に「ヴィンチェロ」という名前をつけていたらしいです。今検索したらその情報出てこなくて情報源が怪しいけど。

ヴィンチェロというのは、「誰も寝てはならぬ」という有名なアリアでラストに出てくる歌詞です。ヴィンチェ〜ロ!!!♪(Hi C)みたいに歌うのですが、その歌詞をとって犬に名付けたということ。

この人も相当、テノールとしての仕事が好きなんだなぁと思います。そういうのってなんか、すごいね。