殺人鬼だけどサブスクを解約し忘れる主人公

「それは絶対Save the catした方がいいよ。明らかにSave the catが足りないよ」みたいなツイートを見て、わたしは「そうだよね!」と思いました。猫は守るべきです。もちろん犬もね。わたしはその言葉を、世界にはどうぶつを守る心が足りないよね、みたいな意味で受け取ったんです。

しかし、ツイート主さんが言っているのは、「猫、愛護!」ということではないらしいのです。わたしは混乱しました。

「Save the Catの法則」有名な本らしいんですけど、知ってます??わたしは知りませんでした。

脚本術の本で、「主人公にSave the cat的な行いを冒頭でさせれば、観衆は主人公に親近感をもつ」という説、らしいです。

前の記事でクソつまんねえドラマを観たという話を書いたのですが、脚本って一体なんなんだろう?と思っていたところでした。なので、良い機会ということで、この本を読んでみました。

ちなみに、脚本家になるつもりはないです。けどこの本は「脚本を書いて高く売りたい君に朗報だ❤️」というテンションで始まるので驚きました。

 

Save the Catというのは、危険な状況に陥っている(登ったところから降りられなくなっている、轢かれそうになっている等)猫を助けることです。主人公に猫を助けさせれば、観衆はその主人公に対して「お、いいヤツだ」と感じ、長い長い映画を共に旅する気になってくれるんだそうです。

もちろん、必ず猫を!猫を助けさせなければならない!絶対に!ということではありません。そんなんめっちゃ怖いもんね。どの映画も冒頭に猫を助ける主人公の描写が入ってたら怖いじゃん。一本につき一回猫が見られるのは嬉しいけど。

助けるのは犬でもいい、いや、人でもいいですし、なんなら「助ける」ということではなくてもいい。

例えば「超セレブなのに、リーズナブルなハンバーガーをうまそうに食べる」(トニースタークがやっていましたね)

「遅刻しそうになって走る」

「迷子を親のところまで送り届ける」

「月末にサブスクを解約しそびれる(ちょっと前ならTSUTAYAの レンタルDVDの返却期限を勘違いして延滞金を取られる)」

「朝のニュースの占いを気にする」

「今日のディナーをどうするか出前館で楽しそうに選ぶ」

みたいな、そういうことらしいです。親近感がわけばいいんだそうで。

主人公が殺人鬼のときもありますよね。すべての主人公が炭治郎なわけではないですから。炭治郎は良い子だから応援したくなるけど、殺人鬼を応援することは難しい。

だけど、殺人鬼の人が月末にうっかりとサブスクを解約しそびれていたら、あ、なんか、そっか、そうだね…みたいになりません?

それを狙え!Save the Catさせろ!ということらしいです。冒頭のツイート主さんが言っていたのは、脚本か映画か漫画か小説か、とにかく何かのコンテンツのことだったのでしょう。

面白いですね。結構参考にされてる本らしいので、いろんな映画を見るとき、さてSave the Catあるかな?と気にしてしまいそうです。