犬猫の遺伝子検査

ペットショップの犬猫ってなんであんなに高いの!?

と思ったことがある方は多いんじゃないでしょうか。生体販売の是非は置いておいてね。

高くした方が、客がむやみやたらに生命を買わなくなるので、その方がいい。経済に一定の余裕が無い人を弾くために値段がつりあげられているところがあると思います。それに、ペットショップの土地代やお店にいる間のお世話代、調子が悪くなれば獣医さんの受診料、月齢が大きくなればペットショップにいる間にワクチンも接種していくから、自然と値段は高くなるんです。

でも、そのほかに、遺伝子検査を行なっているから、という理由があるんじゃないかなと思っています。

猫のブリーダーサイトやペットショップのサイトなどを見ていると、この子猫ちゃんは遺伝子検査クリアです、と書いてあることがあるんです。そういう場合、値段がかなり高いことが多いです。

猫の遺伝病はたくさんあります。PKDとか。遺伝子検査クリアということは、母猫父猫ともに、この病気の遺伝子を持っていません、ということ。だから、この子猫も発症するリスクが抑えられます、ということです。

コーギーに多い、DMという病気があります。後ろ足の麻痺から始まり、時間をかけて身体が不自由になって、最後には死に至ってしまうという病気。この病気には特効薬もなく、発症するとどうやって少しでも心地よく犬生を送らせてあげるかを考えることになります。

この病気を予防することはできないみたいですが、遺伝子検査を行うことはできます。母親と父親がDMの要因となる遺伝子を持っていなければ、その子どものコーギーも発症するリスクを抑えられるということです。懸念のある遺伝子をもつ父犬と母犬を交配させることはやめて、リスクの少ない繁殖を行えば、未来に不治の病で苦しむコーギーを減らせるのです。

遺伝子検査にはお金がかかります。それだけじゃなく、親猫を検査するということは、ブリーダーさんにとっては負担です。だって親猫に遺伝病の遺伝子が見つかれば、その親猫は繁殖には使えなくなります。それなら、遺伝子検査をしないまま、その子の子作り適齢期を終えるまで待った方がいい。

ブリーダーさんだって商売なんだし。売れ筋の柄、売れ筋の顔、というのがあって、そういうのを研究してかわいい子猫を作ることを心掛けているんですね、きっと。それなのに親猫が繁殖に使えなくなったら、その子をただ飼うだけになってしまい、経済的な損失が出る。しかも、もう売ってしまった子猫だっているんです。その飼い主たちに、申し訳ありませんがうちの親猫に病気の遺伝子がありました、と連絡しなければならないのでしょうか?(たぶん、現実にはしないと思うけど)

そうして、みんなきっと遺伝子検査はいやなのです。それでも、遺伝子検査をしてもらうためには、お金を払うしかない訳です。遺伝子検査をしていればより高く売れると思えばブリーダーさんも検査を徹底するし、そんなブリーダーさんから買うペットショップも生体代を高くする他にないんですよね。もちろん、病気で苦しむ犬猫を少なくしたいという気持ちでいる人もたくさんいると思うけど。

高いお金を払っても遺伝子検査済みの子を求める人が多くなれば、未来に苦しむ犬猫を減らせるんだと思います。